健診の結果は「異常認めず」「要指導」「要医療」などに区分されます

健診の検査件項目の一つが基準値から外れていても、それだけで病気だと診断はできません。多くの場合、他の複数の検査結果と合わせて総合的判断することによって、初めて診断ができるようになります。

疑問があれば医師に説明を求めましょう

しかし、自身の健康状態の変化や病気の経過を知るためには、健診の各検査が示すこと、基準値、異常な場合に考えられる原因などを予め理解しておくことが大切です。医療機関によって測定方法が変わることも少なくなく、そのため基準値が異なることがあります。健診を受ける医療機関が異なっている場合、数年分の検査結果を比較して、数値がどのように変化したかを見るときに、基準値が異なっているとややこしくなります。

健診結果の判定は、以下のように通常4〜8段階の区分が使用されています。

異常認めず
健診で異常な所見がないか、あったとしても日常生活を送るうえで特に問題がないことを示しています。異常がないから「次の健診は受けなくていい」ということではありません。

要指導
医療機関で治療を受けるほどの異常ではないものの、健診の結果に応じた日常生活上の指導(ex:中性脂肪値やコレステロール値が少し高いので運動量を増やす、γ-GTPの数値が高めなので飲酒量を減らす…など)を医師から受ける必要があると判断された場合に使用される表現です。

要医療
病気の存在が疑われる、もしくは病気の存在が明らかなので、医療機関を受診するか、精密検査を行う必要があると判断された場合の補湯源です。既に糖尿病や高血圧、心臓病などで治療中の人もこの表現が使用されます。

一般の健診や人間ドックでは、さらに「要再検」や「要精査」という表現が使用されることもあります。それぞれが意味するのは以下の通りです。

要再検
検査結果が基準値から外れているか、異常の疑いがある場合に、もう一度検査を行って確認する必要がある場合に使用される表現です。再検査を行った結果、異常なしというケースも多いので、あまり心配しないで早めに再検査を受診しましょう。

要精査・要精検
健診の検査項目では異常があるのかないのかが明確にできないため、別の検査やより専門的な検査を受けてください、という意味です。通常、専門の医療機関で精密検査を受けます。

要経過観察
一定期間様子を見て、指示された期間内にもう一度検査を受けてください、という意味です。

要治療
先述の「要医療」と同様に、検査結果に異常が看取られ、病気の存在が明らかなので早期に医療機関で治療を開始しましょう、という意味です。既にその病気の治療を受けている場合、治療を引き続き行いましょう、という意味です。

健診の検査は、異常の疑いがある人を可能な限り見つけられるように設定されています。「要再検」「要精査」「要精検」と判断されても病気と診断されたわけではありません。これらの指示があった場合は、自覚症状がなくても、必ず指示通りに再検査や精密検査を受けるようにしましょう。追加の検査で仮に病気と診断されても、早期治療を行うことで病気を悪化させずにすみます。